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夕焼け小焼けの里 [日々雑感]

回送@八王子駅・ホリデー快速:撮影;織田哲也.jpg

久しぶりですが、西の空に夕焼けを見ました。
都心の無機質な高層から眺める武蔵野は、何故かいつも怠け心を起こさせる風が吹いているようで、
その先に霞む多摩の山々ときた日には、
おお、いつか自分も疲れて枯れて、没するところがあそこなんだなあ、と涙がチョチョ切れる思いさえする今日このごろなのでございます。

私が居を構える八王子市にあって、恩方と呼ばれる地区は 『夕焼け小焼けふれあいの里』 とされており、名曲 『夕焼け小焼け(作詞:中村雨紅)』 の舞台となっています。
古(いにしえ)より、西方は “お浄土” のある地と信じられています。
みんな日が落ちるのを待って、お手々つないで帰るのです。
カラスと一緒に、西の方角へと帰って行くのです。

移り変わりの激しい情報の世界に身を置いていることが突然恐ろしくなるのは、今日のような夕日を眺めている瞬間です。
大きなものを見ていると死にたくなるが、小さなものを見ていると生きていてもいいかもしれないと思う ― これは故・安部公房氏が著書 『箱男』 の中で展開されていたモチーフのひとつです。
大河を思わせる大きな時代の流れと小さな幸不幸の狭間で、人は呼吸し、血液を循環させ、善意と欲望とを天秤にかけながら生きているものですね。
ガラス越しの陽光を浴びた自分の影を見て、つくづくそう感じます。
なんと言うか、いい歳こいて心の置き場をまだ定められずにいることの恥ずかしさを、陽の当たるところ曝け出された感じがして、血管の中に虫が生息しているような錯覚に陥ります。
そんなだから、夕日を見たら本当は 「ありがとう!」 と叫びたいのに、なぜか 「バカヤロウ!」 と叫んでしまっちゃうわけなのでしょう。

こんなこと書いていいんだっけ。まあいいよね、日記なんだから。
今夜のお酒は、ボンベイサファイア・ベースのギブソンとギムレットです。
お付き合い頂けるのなら、独りぼっちのあなたも、是非。

http://www.youtube.com/watch?v=dj5tMiO4SFc

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