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春の嵐 [日々雑感]

曲線をまわって:撮影;織田哲也.jpg

今日は一日じゅう、ニュース番組のトップが、太平洋側を中心として吹き荒れた 「春の嵐」 でした。
山の斜面を下りて吹きつける強風というところから、「山」 と 「風」 をミックスした 「嵐」 という文字ができたとされますが、懐疑的な立場をとる説もあります。
「下」 と 「風」 を組み合わせた 「颪(おろし)」 も同系の漢字。「六甲颪」 はつとに有名です。
「嵐」 も 「颪」 も、「荒らし」 と音をかけているようです。

吹くからに 秋の草木の しおるれば むべ山風を 嵐といふらむ
― 『古今集』 より。作者:文屋康秀(ぶんやのやすひで:平安時代の歌人で、小野小町の恋人のひとりだったという説がある)

山から秋の風が吹きおろすようになると、秋の草木は萎れてしまう。なるほど、だから山風のことを 「嵐(荒らし)」と言うのだなあ。(筆者翻案)

この歌は秋のものなので、山風の吹く風景に荒涼感が漂っています。
春の嵐はこれと違い、新しい命の鼓動を予感させてくれるはずのものです。
けれども、真っすぐに歩くことさえ困難な突風の先に濁った大気が揺らめくのを見るとき、本来の姿からどれほど遠ざかったものであろうかと心が重くなります。
黄砂と花粉とPM2.5が吹きすさぶその嵐は、どこか死臭を含んでいる気がして不気味でなりません。
夕方から降り出した雨に、少しだけ気持ちに救いがありましたが。

春嵐(しゅんらん)や 涙にかすむ アスファルト

http://www.youtube.com/watch?v=hO2dWTNiVVw
1973(昭和48)年ごろの曲です。
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