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色いろいろ① ― 赤 [諸々の特集]

石和温泉:撮影;織田哲也.jpg

私が大人用26インチの自転車を手に入れたのは、小学校の4年生か5年生のときでした。
それまでは子供用のを、サドルの位置を目いっぱい上げて乗っていましたが、さすがにそれも危険だということで買ってくれたのです。
その自転車は、フレームが真っ赤のやつでした。
今ではそんなことも珍しくないのでしょうが、私が小学生の頃は、まだまだ赤色は女の子の色というイメージが強くて、男子の持ち物としては考えられないという風潮が主流でした。
だからその自転車に乗ることには躊躇した…、というわけでは全然なく、反対に目にも鮮やかなその赤色がとても美しく感じられ、一目で気に入ってしまったのです。
たしかに 「女色の自転車に乗っとるわ」 とからかう連中もいましたが、気にしぃの私にしては珍しく、お構いなしに嬉々として乗り回していました。

高校生になって少々色気づいてくると、男性向け雑誌のファッション記事にも目が行くようになります。
『平凡パンチ』 だか 『プレイボーイ』 だかのグラビアで、真紅のスリーピースのスーツを着たモデルの写真が載っていて、これは今でも強烈に記憶に残っています。
髪はパーマをかけた長髪、トンボメガネをかけ、スーツの生地はベルベットで、パンツは裾幅が30センチを越えようかというパンタロンになっていました。
アルフィーの高見沢さんがそんなスーツを着ているのを思い浮かべていただければ、どれほど強烈かお分かりいただけると思います。
さすがにそんな服に身を包めるわけもありません。その当時の私の蛮勇は、せいぜい真っ赤なTシャツを着る程度のものでした。

色については、今は本当に自由になったものです。
男性が真っ赤なセーターを着ていても 「おかしい」 という声はなく、女性がカラスの濡れ羽色みたいなスーツを着ていても 「かっこいい」 という声のほうが多いでしょう。
かつては服装だけでなくちょっとした持ち物にさえ、男物と女物の色は明確に区別されていました。
そう考えれば、『坊っちゃん』 に出てくる赤シャツ教頭などはたいしたもので、イヤミと受け取られようが自分の趣味を通すあたりは、さすが明治の名士と評価すべきです。
私も赤のジャケットを、今は平然と着ています。赤いボクサーブリーフだって、7日に一度は穿くローテーションです。
もっともあと数年たつと、赤いちゃんちゃんこです。あんまり着たくはありませんけれど。

赤は炎や血液の色として、危険を表す色と認識されることが多いです。
「赤点」 とか 「赤字」 などの語は、いいイメージではありません。闘争や憎しみといった、尋常でない感情を象徴することもあります。
けれども、人がオギャアと生まれて、最初に識別できる色は 「赤」 だと言われています。
赤は人間の生理的・心理的な側面に、ストレートに働きかける作用を持った色です。
実際、人が赤い色を見ると興奮作用を起こす神経が刺激され、血圧や体温が上がり、気分を高揚させる働きがあるようです。

赤には、高貴な赤と下品な赤があるのも事実です。
黒だと、上品だ下品だといった話はあまり聞きませんが、赤にはそれが明確に存在します。目に映える色だけに、評価の境目が問題とされることも多いでしょう。
そういった微妙な危うさが、また赤の魅力であったりもするわけです。

私がいま使っているモバイル用のPCは、真っ赤なボディーをしています。今日はメインの黒のデスクトップでなく、その小さくて赤いPCからアップしています。
お気に入りの赤がいつも身近にあるというのは、なんとなく気分のいいものです。

http://www.youtube.com/watch?v=p-TlsbhTBIM

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